平等と公平(合理的配慮とは)

2020.07.19

今回は障害のある人との社会というテーマで少し長い話をします。

平等と公平って同じようなことに思えまずが、実は違います。教育現場、特に障害のある子供達が、障害のない子供達と同じように教育を受けようとする場合には平等よりも公平性を求められる場面があります。

平等が良いように思われるかも知れませんが実際は違うことがあります。分かりやすいイラストがあるので見て下さい。動物園に行って象を見た印象を作文に書きましょうという課題が出たとします。1番目のイラストでは右端の子は象が見えるけど、真ん中の子と左端の子は象が見えません。平等を求めると3人に平等に1つずつの足台を置いてそれに乗ってもらうことになります。それが2番目のイラストです。これで真ん中の子は象が見えるようになりますが、左端の子は足台が1つでは、まだ見えませんね。ここで公平を求めると右端の子の足台を左端の子に渡して、左端の子が2つの足台を使ったのが3番目のイラストです。これで3人とも象が見える状態になります。これで公平にみんなが象を見られるようになったことになります。

実際の教育現場では教科書の字を読むのが困難な子供にタブレットを渡して字を拡大して読めるようにすることがあります。教科書の字が読める子にはタブレットは必要なくて、教科書の字が読めない子だけにタブレットを渡したら良いのですが、タブレットを渡されない子の親が、うちの子にもタブレットを渡せ、と言い出すと話が進まなくなります。予算が潤沢にあれば、みんなにタブレットを配布できるのですが、どこの自治体もお金がいっぱい余っている訳ではないので限られた予算の中でタブレットを渡すとしたら、必要な子にだけ渡すとなります。

これが教育現場での対応ですが、今後は障害のある人が社会に出た後の職場でも不自由なく生活が出来るように配慮する必要があります。これを合理的配慮と言います。障害のない人もこう言ったことを理解して障害のある人への思いやりをもてる社会になると良いですね。