医療従事者の使命

2021.04.29

新型コロナの感染が国内でも広がって、もう1年以上になります。今は第4波が猛威をふるっていて、福山も感染者が急増する兆しがあります。けれども、相変わらずコロナの患者さんを受け入れられる医療機関は限られていて、特に入院できる病院が少ないままです。当初は指定医療機関でないと新型コロナの診療は出来なかったのですが、今は、どこの病院も新型コロナを診療することが出来るようになっています。しかしながら、どこの病院も受け入れている訳ではないのが現実です。そのため受け入れている病院にばかり負担が大きくなっています。結局、去年と同じなんですね。

振り返ってみると去年の4月、福山市でも指定医療機関にだけ新型コロナの診療やPCR検査の負担が大きくなっていました。あのダイヤモンドプリンセス号で多くの感染者が出ていて、志村けんさんが亡くなって、これは一体どうなるんだ?って思っていた頃です。そんな時、福山市医師会の会長が、指定医療機関だけに負担をかけるのは良くない、出来ることはみんなで負担しようと言うことで、医師会でPCR検査をすることになりました。よくテレビで見る防護服を着て綿棒を持って、検査を受けに来た人の鼻から液を取る役割です。当初は検査をして感染をうつされないのか?と心配されていたものです。言い出しっぺの会長が最初に検査をすると言いましたが、誰かもう1人一緒にしてくれませんか?と言うことで、自ら手を挙げたのは何を隠そうこの私でした。あの時は、もし検査に行って防護服は着ていても自分が感染したらクリニックが閉鎖されるなあとか、感染してスタッフや家族にうつしてしまったらどうしようと少し頭をよぎりましたが、スタッフも家族も誰も反対することなく検査に送り出してくれました。まあうちのスタッフは、そう言う使命感のあるしっかりした人ばかりなのです。手前味噌ですが。

医療従事者は高齢者よりも優先されて新型コロナのワクチンを受けています。もっと使命感を持ってコロナの診療をしてくれる病院が増えると良いですよね。だってコロナの診療をする内科だけじゃなく、他の科でもすべての診療科の医療従事者が真っ先にコロナのワクチンを受けているんですよ。もっと何とかならないでしょうかね。ちなみに、当クリニックはワクチンが届かないため、まだ誰も受けられていないんですよ。僕は消防署の人や保健所の人のワクチンをするのには出務しているのですが、自分はまだ受けてないんですよね。希望する大勢の人がワクチンを受けられて、感染する人のない世界に早くなって欲しいですね。